亡霊の独白

どうせ何時かは何処か遠くへ行ってしまうのでしょう。
そんな事は最初からわかっていたのです。
だからどうか、
どうか、

私の事を、貴方の中から消して、全てを忘れて。











微かに聞こえる音。
消えてしまいそうな命の音。
薄く開く眼の上に、そっと手を添える。

「おつかれさま」

色鮮やかに染められた少年は、あの時の自分によく似ていた気がする。
静かに重たくなる少年を膝の上で抱き上げ、乱れた髪をそっと撫で直す。




彼は今でも、
あの緋色を身につけている。
















「これで良かったんだ」


之が、僕の選択。