2014-02-17 亡霊の独白 忘却ガーネット どうせ何時かは何処か遠くへ行ってしまうのでしょう。 そんな事は最初からわかっていたのです。 だからどうか、 どうか、私の事を、貴方の中から消して、全てを忘れて。 微かに聞こえる音。 消えてしまいそうな命の音。 薄く開く眼の上に、そっと手を添える。「おつかれさま」色鮮やかに染められた少年は、あの時の自分によく似ていた気がする。 静かに重たくなる少年を膝の上で抱き上げ、乱れた髪をそっと撫で直す。 彼は今でも、 あの緋色を身につけている。 「これで良かったんだ」 之が、僕の選択。